山の中のギンリョウソウ
2024年05月17日
作手の自然記録会主催のキノコ観察会で入った山の中。
肝心のキノコの種類は少なかったのですが、この時期にしか見られない植物「ギンリョウソウ(銀竜草」を見ることができました。
ギンリョウソウは地中でベニタケ属の菌糸から栄養をもらって生育する腐生植物です。
色素が無く透き通るような白色で、蝋細工のようにも見えます。
一本で生えていたり、株のようにまとまって生えていたりします。
うっすらとした山の中でひょろりとたたずむ姿はなんとも神秘的で、私は大好きなのですが、見る人によっては気味が悪いと言われる不思議な植物です。
別名「ユウレイタケ」とか「ユウレイソウ」と言われるのもわかる気がします。
ひょっこり頭を出してすぐの頃はなんともかわいらしいのですが、成長して花が咲き、散る頃には、花の中の丸く黒い部分が目立つ形に変わります。
子どもたちは、その様子をよく「目玉おやじ」と言っていました。その頃の姿は、やはりちょっと不気味ですが、その変化がまた魅力的でもあります。
山の中には、色も形も奇妙で不思議な植物やキノコ類に出会えて楽しいです。
余談ですが、この「ギンリョウソウ」が梨木果歩の小説「西の魔女が死んだ」の後半に登場していて、作品の世界をより豊かにしています。
現物の観察も、「西の魔女が死んだ」の読書もおすすめです。